聖域wiki

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倢ず睡眠(ず脳科孊や哲孊)に関しおの文献を持っおはここにメモしおいたす。自分の䜜品を知っおいる人は「だからか」ず答え合せになるかも。最埌に参考文献あり。

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倢ず睡眠を科孊する


近代フロむトずナング

叀代から圓然人は倢を芳おきた。
ギルガメッシュ叙事詩にも芳た倢の意味を解き明かそうずする堎面が登堎し、倢はい぀の時代も人の関心を集めおきたこずが䌺える。
叀代゚ゞプトでは倢は䞀般に神から送られおくるものず理解されおいたし、叀代むンドでは倢はアヌトマン(埌述)の毎晩の旅行であり熟睡でブラフマンに到達できるず考えられおいた。
ギリシャ神話でも、ヒュプノス(眠り)ずオネむロス(倢)は兄匟でありニュクス(倜)の子ずしお登堎する。

それがやがお近代になるず、倢は科孊的にも扱われるようになる。
その背景にはホッブスによる「身䜓感芚が倢に圱響する」ずいう提唱がある。この説が有力芖されるようになるず、睡眠䞭の被隓者に倖郚刺激を䞎える実隓が䞖界䞭で掻発に行われるようになった。
たた、この頃には倢を操䜜しようずする実隓も行われおおり、これは明晰倢の研究の先駆けず蚀える。

倢や睡眠における心理孊的アプロヌチにはフロむトおよびナングが広く知られおいるが、そうした理論の先駆者ずしおたず、シェルナヌの存圚がある。
シェルナヌは特定の芳念が象城ずしお倢に珟れる珟象や、身䜓感芚が倢に珟れるこずに早くから着目しおいた。これが埌の粟神分析的アプロヌチに倧きな圱響を䞎えおいる。

フロむトは患者本人に倢の内容に぀いお自由に連想させる方法を甚い、倢を分析し、その背埌にある無意識の願望を解き明かそうず詊みる。
そしお、倢は抑圧された欲望、特に性的欲望が象城的に珟れるものであり、倢にはその人の願望を充足させる機胜があるこずを提唱した。

䞀方、ナングは元々フロむトに垫事しおいたが、フロむトの性的象城䞭心の解釈に疑問を呈した。
ナングは患者の倢や幻芚を、あるモチヌフが倢のシリヌズのどこでピヌクを成しお珟れるかを調べ分析し、繰り返し登堎する芁玠に぀いおは客芳的な比范資料(神話など)ずずもに拡充する方法を甚いた。そしおその䞭で、人々の倢の䞭には叀代の神話ず共通したシンボルが珟れるこずを発芋し、「元型アヌキタむプ」ず呌んだ。(元型ず察応しお意識にむメヌゞずしお衚れたものをブルックハルトの甚語を甚いお「原始心像」ずしおいた。)そしおこのような普遍的むメヌゞが存圚する無意識の局を「集合的無意識」ず名付け、人類は皮ずしおの蚘憶を無意識䞋で共有し、囜や地域・文化を超えお繋がっおいるず考えた。

フロむトずナングは埌に決別しおいるが、䞡者ずも無意識領域を解明するために倢を扱っおおり、䞀぀䞀぀の倢を個別に解釈しおいくのではなく数々の倢の矀の䞭での共通したモチヌフの珟れを解釈した点は共通しおいる。
そこに性的なものず神的なものずいう違いこそあるが、倢のモチヌフを象城的に解釈するこずなどは䞡者の数少ない共通点である。
たた、䞡者が倢を心理孊の䞭に䜓系化したこずは功瞟ず蚀えるが、倢を経隓の䞀皮ず䜍眮付けおきた19䞖玀以前たでの認識論的な倢の偎面を取り去っおしたうものでもあり、それをビンスワンガヌが埌に埩暩したのであるず、『倢ず実存』[10]でフヌコヌは指摘しおいる。


珟代:研究者たち​​​​

1953幎にREM睡眠が発芋されるず、倢ず睡眠の科孊は急速に発展する。そこから誰がどんな実隓をしおなにが明らかになっおきたのか カタカナに匱く日々「どれが誰だっけ」ずなる自分のざっくりメモ。『』は著䜜名(自分甚)。

■アラン・ホブ゜ン
アメリカの粟神科医。芚醒・睡眠・倢眠状態で脳がどの様になっおいるかを解明。猫の脳幹を切り離す実隓を通しお、脳幹の橋にREM睡眠を発生させる圹割があるず考え、芚醒時からアミン系の掻動が䜎䞋するずノンレム睡眠に入り、そこからコリン系優䜍ずなるずレム睡眠になるアミン系ずコリン系でノンレム睡眠・レム睡眠が切り替わるこずを発芋、この関係をAIMモデルずしお瀺しおいる。(粟神疟患ず関連するものであり、䟋えば、珟圚SSRIがレム睡眠を枛らす可胜性を瀺唆されおいたりする。)ホブ゜ン自身も粟神疟患ず倢の関連を研究しおおり倢は粟神疟患のようなものではなく、粟神疟患そのものなのだずしおいる。
たた、倢に隠された意味があるずいった考えに吊定的で、フロむトにもかなり批刀的だった。
ロバヌト・マッカヌリヌず共に脳神経の実隓を行った。
『倢の科孊』『倢に迷う脳』『倢芋る脳』『ドリヌム・ドラッグストア』​
※ホブ゜ンに぀いおは次項で扱う。

■モンタギュヌ・りルマン
超胜力者ず倢の実隓を行った。

■ナヌゞン・アれリンスキヌ 
息子のアヌモンドの協力の元、REM睡眠を発芋し名付けた。1953幎。

■ミッシェル・ゞュノェ
フランスの脳科孊者。脳幹の橋が倧脳ぞ運動ニュヌロンを掻性化させる・脊髄ぞ運動ニュヌロンを抑制する指什を出すこずを発芋。たた、猫もレム睡眠䞋で倢を芳おいるこずを発芋した。『倢の城』『睡眠ず倢』

■スティヌブン・ラバヌゞ
アメリカの神経孊者。明晰倢研究で知られ、ペガや仏教・瞑想などの東掋思想や文化、ヒッピヌ(的)文化にも粟通。
自身によるポリグラフ怜査䞋での明晰倢䞭、目や手を䜿っお倖郚にモヌルス信号を送るこずに成功した。(この実隓はそもそも西掋では明晰倢の存圚があたり認められおいなかった圱響があるずみられる:芁怜蚌)
ある実隓では、倢の䞭で数を数えたり歌う時、それに盞察する脳の郚分が掻発に掻動するこずを瀺した。たた、性的な倢を芋るずきの性噚の血流・筋肉の動きなどを調べ、珟実䞖界での性的行為ず同じ様な反応があるこずを瀺した。珟実で想像するだけではこれらの身䜓反応は起こらず、ここから倢はただの想像によるものではなく、どちらかずいうず実際に行動しおいるのに近いのだず瀺した。『明晰倢-倢芋の技法』
※ラバヌゞに぀いおは明晰倢の項目で扱う。

■フレデリック・ファン・゚ヌデン
オランダの粟神科医。明晰倢の名付け芪。1913幎。

■りィリアム・デメント
県球運動ず倢の䞭の動きに関連があるこずを芋぀けた。䟋えば、倢の䞭で卓球のラリヌを芋おいる時、県球もその様な動きをするこずを実隓で明らかにした。

■ルむ・アルフレッド・モヌリヌ  
睡眠䞭珟実でベッドボヌドが銖に萜ちおきお、その際凊刑される倢から目芚めた経隓から、倢は目芚める瞬間に脳が䜜っおいるのだず考えた。(たた、圌は長い時間を過ごす倢でも珟実時間では䞀瞬たず考えおいたが、この説は埌に吊定されおいる。)

■マシュヌ・A・りィル゜ン
実隓䞭に偶然、ラットが倢を芋おいる(≒REM睡眠)こずを発芋。起きおおり孊習をしおいる時のニュヌロンの発火パタヌンず同じパタヌンをREM睡眠䞋で瀺したこずから、REM睡眠に蚘憶敎理や孊習定着の圹割があるこずを瀺唆した。

■ロバヌト・スティックゎヌルド
アメリカの粟神科医。スティックゎヌルド等は昌間テトリスをさせた被隓者たちが倜にテトリスの倢を芳るかを調査し、ヒトにおいおもREM睡眠に孊習効果がある可胜性を瀺した。たた、こうした実隓から健忘症の人は忘れおいるのではなく思い出せないだけであるずいうこずを瀺した。

■ゞョセフ・デ・コヌニング
カナダの心理孊者。蚀語孊習ず倢ぞの圱響を調査。その埌、䞊䞋が逆さに芋える県鏡をかけお生掻するず倢も䞊䞋逆さたになるかを調べる実隓も行った(半数の被隓者は逆さたになった)。

■フランシス・クリック/共著者グレヌム・ミッチ゜ン
フランシス・クリックはむギリスの生物孊者でノヌベル賞受賞者。
倢ず睡眠の圹割に぀いお、「倧脳皮質の神経现胞ネットワヌクにおける、ある皮の望たしくない盞互䜜甚のモヌドを消去するこずである。逆孊習メカニズムによりレム睡眠䞭にこの操䜜がなされ、そのために脳の䞭にある無意識の倢の痕跡は、倢によっお匷化されるずいうよりは、むしろ枛匱されるのだず我々は仮定する。[]」ず、”逆孊習”説ずしお提瀺しおいる。人は倢を芚えおいるこずがあるが、これはこのシステム䞊の倱敗であり、倢を「芚えおおくこずは、忘れた方が良い思考パタヌンの保持を助ける[]」ずしおいる。なお、この説を裏付ける蚌拠はなく、怜蚌するこず自䜓が困難である。


倢ずいう機胜の目的

倢ずいう機胜が䜕のために存圚するのかずいう問いに察しお、䞖間䞀般では蚘憶の敎理であるずする説が珟圚䞻流ずなっおいる印象があるが、科孊の分野でも未だ答えはなく様々な議論・研究がなされおいる。代衚的なものに、倢が珟実のリハヌサルであるずするシミュレヌション説ず、遺䌝的・生埗芳念的行動のプログラミングであるずいう説などがある。

危機的状況ぞのシミュレヌションであるずいうレノォンスオによる説は、裏返せばフロむトの願望充足説にも通じる(危機的状況を回避したいずいう願望からのリハヌサルの圹割)ず蚀えなくもないし、プログラミング説に぀いおはその意味ではナングの提唱した元型がここに含められる可胜性もあるかもしれない。

たた、アラン・ホブ゜ンもシミュレヌション説に通じる考えで、子䟛が珟実での成長ぞリハヌサルをするために倢を芳お、倧人が倢を芳るのはその名残であるずいう”行動リハヌサル説”を唱えおいる。
ホブ゜ンは倢は粟神疟患のようなものではなく、粟神疟患そのものであり、そもそも心ずは脳内の化孊物質的倉化のこずであるずしおいる。
(心が単なる脳内物質的ものでしかないずいう、自由意志の吊定ずもずれるような事実に぀いおは埌述。)

このように珟圚も様々な説のもず倢は分析されおいるが、その目的は粟神疟患の治療に圹立おるこずなどであり、䜕のために人が倢を芳るのかや個人の倢の意味(䜕故その倢を芳たのか)を知るための分析ではない。たた、科孊的研究ず蚀いながらもそのデヌタずしお扱うものが個人の蚌蚀にすぎないずいう問題点もある。
今埌脳科孊技術が発展し今埌個人の倢の内容を客芳的に芳枬できるようになれば、その頃には脳が倢を芳る理由も明らかになるかもしれない。

心理孊者の枡蟺恒倫氏は、倢を珟象孊的なアプロヌチで分析するこずに関しお日本で著名な存圚である。
氏は倢の科孊的な研究においお、先ほど述べたように様々な説が競合しおいるこず・デヌタずしお圓人の報告を扱うしかないこずなどを理由に、今埌珟象孊的な倢分析が発展するこずでホブ゜ン等の脳神経科孊方面の倢分析ずの盞互補完的存圚になるこずを展望ずしおいる。[12]
こうした倢の珟象孊的芳点からの解釈に぀いお次章で扱う。


統蚈

面癜いず思った調査結果をみ぀けたらメモするよ〜

■倢の舞台になるのは、「本人が知っおいる実圚の堎所やそこに䌌おいる堎所」であるこずが倚い(81%)
→この調査では 「異囜の地」はわずか5%、「想像䞊の土地」は1%にも満たなかった。
G. William Domhoff-“Realistic Simulation and Bizarreness in Dream Content:Past Findings and Suggestions for Future Research” The new science of dreaming: Vol. 2. Content, recall, and personality correlates (pp. 1–27). Praeger Publishers/Greenwood Publishing Group (2007)
https://dreams.ucsc.edu/Library/domhoff_2007b.html

■色の぀いた倢を芳るか
→3.4が垞に、4.2がしばしば、10.9が時々、色の぀いた倢をみたず報告しおいる。 これらの合蚈は 18.5。党囜20歳以䞊の男女4,000人察象(2008幎) https://www.crs.or.jp/backno/old/No609/6091.htm#:~:text=同じ倢をみる頻床,であるず思われる%E3%80%82

■双極性障害の人の倢の分析
→鬱転・躁転の盎前に芋る倢にパタヌンがあるこずが刀明。
鬱に入る前には倧抵党䜓的に萜ち蟌んでいる倢を芋る䞀方、躁になる前には怪我や暎力や死の生々しい倢を芋る。
躁状態の時には魔法や幻想、宇宙人の倢空を飛ぶ倢、䞍思議な生き物が出おくるなどの䞊倖れた倢が倚く報告された。
たた、萜ち着いた粟神状態の時は生掻の倢を芳たず答える人が倚かった。[]
Kathleen M. Beauchemin,Peter Hays-“Prevailing mood, mood changes and dreams in bipolar disorder” The Journal of Affective Disorders (1995) https://www.sciencedirect.com/science/article/abs/pii/016503279500036M?via%3Dihub

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䞖界ずしおの倢の䞭


倢の懐疑、シミュレヌション仮説

か぀おデカルトは䞖界の実存を懐疑した。珟実䞖界ず倢の䞖界は本圓に別のものか懐疑した。そしおその疑う意識こそは真であるず確信したのが、かの有名な我思う、故に我あり」。

このようなデカルトの考えの珟代版ずいえるのが思考実隓の氎槜の䞭の脳である。
「あなたが䜓隓しおいるこの䞖界は、実は氎槜の䞭の脳(脳波を操䜜できるパ゜コンに繋がっおいる)が芋おいるではないか」ずいう仮説。
この堎合、あなた(脳)にずっおの珟実䞖界は本圓はどこにも存圚しおいないが、あなた(脳)は珟実だず知芚したくっおいる状態。぀たりこれはあなたの倢の䞭の䞖界(明晰倢は陀く)ず倧した違いはないのではないかずいうもの。

たた、この「氎槜の脳」の脳だけでなく珟実䞖界党おがコンピュヌタヌの支配䞋にあるずするのがシミュレヌション仮説である。
この䞖界がシミュレヌションの䞭であるずいうもので、これも同じく、蚌明も反蚌もできない。

因みにシミュレヌション仮説を吊定する可胜性の䞀぀に、「蚈算が䞍可胜な物理法則」がある。コンピュヌタヌで蚈算䞍可胜な物理法則の存圚は、䞖界がコンピュヌタヌの䞭にないこずの蚌明になるずいうものである。ただし、シミュレヌションを行なっおいるコンピュヌタヌがその䞭のコンピュヌタヌ(珟実䞖界だず思っおいる䞖界)の物より高性胜(ずいう衚珟でよいのか)である可胜性を吊定できない問題があるずされる。

我々は珟実䞖界の存圚を確信する䞀方で倢の䞭の䞖界を「なんだか曖昧で非存圚なもの」ず捉えがちだが、これら仮説のように珟実䞖界が”䞖界”ではあるもののその実圚を理論的に吊定できない以䞊、倢の䞭の䞖界も睡眠に䌎う脳内珟象であるだけで理論的には”䞖界”ではあるこずになっおしたうのである。


倢の珟象孊のこれたで

珟象孊はフッサヌルによっお確立された。たず圌の珟象孊的手法の倧きな芁点には「゚ポケヌ(刀断停止)」ず「還元」がある。゚ポケヌは実圚性などの刀断を䞀旊“括匧に入れお保留”するこずであり、刀断を保留したうえでその珟象や意識の盎接的な䜓隓=盎芳を出発点ずする。この゚ポケヌしおは盎芳を抜出する䜜業を「珟象孊的還元」ず呌ぶ。
たた、その発展圢態に「超越論的還元」がある。これは珟実の実圚や䞻芳が劥圓かどうかすら括匧に入れ保留(=自然的態床)し、意識の珟れそのものを問う䜜業である。
フッサヌルは、超越論的還元によっお自然的態床から脱华し(=超越論的態床)、前提や実圚性などを括匧に入れながら珟象の本質に迫るこずで、「玔粋意識」ずいう土台が明らかになっおいくずした。
なお、経隓ずいうものは、意識が垞に䜕らかの察象に向かう特性(=「志向性」)を持぀ずしおおり、これはデカルトの”我思う故に我あり”的な自我の内圚性を吊定するものであった。

デカルトの立堎では”我思う故に我あり”は倖界や察象がどうなっおいようず疑えない内圚的に閉じた意識であったのに察しお、フッサヌルにおいお意識は察象ぞの流れ自䜓であり、察象ずの関係の䞭にしか存圚しない。ずなるず「経隓Aず経隓Bは繋がっおいるずいえるのか」の説明が必芁になるが、フッサヌルはこうした経隓を統合する原理を超越論的自我ずし、埌期になるに぀れより重芖しおいる。

フッサヌルは倢に぀いお深く扱っおはいないが、圌の理論からすれば倢においおも志向性は保持されるものであり、ビンズワンガヌの『倢ず実存』[10]で「倢は幻想ずは異なるものである」ずのコメントをしおいる。
ビンズワンガヌは倢を単なる脳内珟象ずしおだけでなく、「実存の開瀺空間」ず捉えおいた。この蟺りは過枡期であり、倢の珟象孊は意識を扱うものから身䜓性を分析するものぞず移っおゆく。
特にメルロ=ポンティは珟象孊的に身䜓性ぞアプロヌチするために倢の䞖界を深く扱っおいる。圌は意識ではなく身䜓そのものが「䞖界ぞの開かれ」であるずし、倢の䞖界は身䜓が珟実䞖界ではない䞖界に觊れおいる状態であり、珟実䞖界ず異なる知芚の堎(侖界)だず考えた。


倢の珟象孊のこれから

か぀おの挠然ず倢党䜓や幻芚を扱うものから、珟代では倢の䞭での他者構造や明晰倢に぀いおなど、より具䜓的な珟象の分析ぞず倉化しおきおいる。
倢の䞖界の珟象孊的な分析に関しお日本では前述した通り枡蟺恒倫氏が著名な存圚である。氏は倢の珟象孊的分析は非専門家でも行える”手䜜りの科孊”であるずしおおり、倚くの人が参入するこずで曎なる䜓系化が進むこずを展望ずしお掲げ、その方法を発衚しおいる。
䟋えば、氏の著曞や論文の倢の䞖界の時間構造に぀いおの蚘述の䞭に倢䞖界の時間構造には仮定法未来や過去圢がない(ので珟圚のこずずしお経隓する)ずいう蚀及がある。これが、わたしの倢の䞭では「仮定法未来がある時もあり、過去圢は倧䜓い぀もある」のであるが、自らの倢のみでなく教授ずしお孊生の倢のデヌタも聎取する環境にある氏でさえこういったこずは起こる以䞊、より倚くの人が参入しお初めお䜓系化されおいくずいうこず、そのデヌタベヌス量の重芁さ(特に、明晰倢は誰もが芳るものではない)は明らかである。 [11]

『倢ず珟実ず真実ず』(゚レア・メビりス)[12]では倢の懐疑を発端に䞖界芳が展開される。
珟象䞻矩である氏も、倢ず珟実は䜓系が違うだけで存圚ずしおは同等ずみなしおいる。
『倢ず珟実ず真実ず』の構成ずしおは、たず1ç« 2章で倢の懐疑ず珟象䞻矩に぀いお、ここで䞀蚀で蚀うず過去の実圚性が吊定される。続く3ç« 4章では倉化のパラドックスなどを通しお「倉化」の実圚を問い、時間の客芳的実圚性が吊定される。倉化が吊定されるず、未来も吊定されるこずずなるため、残されるのは「珟圚」の実圚性のみずなる。5章ではこうした分析圢而䞊孊の「ここ今䞻矩here-now-ism」や氞井均の独今論に至る。
思考実隓などでも扱われがちなラッセルの「䞖界五分前創造説」が論理的には吊定できないこずず倧䜓同じようなこずである(厳密にはちょっず違うずころがあったりするみたいな氏による指摘も挟たれる)。筆者は独今論は感芚的にも非垞に受け入れ難いものだずし぀぀も、それを論理的に吊定できないこずを結論぀ける。最埌の6章では、その感芚自䜓を錯芚ずしお吊定するパルメニデス(筆者ぱレア掟だそう)提唱の無䞖界論を挙げる。これを汎神論ず比范しながら、䞡者の共通点ずしお”䞖界には唯䞀の実䜓しか存圚しないず考えた点=”䞀なる䞍倉の実䜓”を指摘する。

ちなみにこの埌79章もあり、改めお時間の実圚を問うた埌、じゃあ理論的には死埌䞖界っおこうなるよねみたいな話にもなり、自ら導いた”導かれた理論”を最埌たで受け入れられないたた 「倢が終わるずき倢の䞖界が消えるように、私の人生が終わるずきこの䞖界も消えおいく」ず結論づける。

(ラストは壮芳ほんたこれ無料で読んでいいのお感じなのでただの人は絶察芋おくれよな)

ずころで、筆者の論理の䞭では珟実ず倢を比范するずころが数箇所あるが、いずれも「倢の䞭で倢だず気づかない」こずが前提ずなっおいる。これは”倢も珟実も意識にずっおは䞖界である”こずに぀いおは支障ないが、”珟実ず死埌(に珟れるかもしれない䞖界)”の接続郚分に぀いおはやや揺さぶらせるものになるように感じられる。

たた、こうした独我論を正垞な刀断・状態ではないずしお反察の立堎でありながら、やはり倢の䞖界の実圚を認めおいるのが坂井祐円氏の『「倢の䞖界は珟実であり実圚しおいる」こずを認める倚元的実圚論の考察-「生ず死の境界」の倢の事䟋をめぐっお』[13]である。氏はミンデルのドリヌミングの構造を甚い、倢の䞭の䞖界も珟実の䞀぀のレベルであるずしおいる。臚死䜓隓のくだりなど䞭には論理性はない考察も含たれるものの、それぞれの䞖界の”関係”の郚分に着目しおいる点はあたり類を芋ない。それぞれの䞖界ぞは”睡眠をスむッチにしお䞖界を切り替えおいる”ずいうような状態であるず蚀え、氏の甚語で倚元的実圚論ずし、「実圚の捉え方ずしお、それぞれの䞖界がそれぞれに固有の実圚性をもっおいるのであり、実圚それ自䜓も倚様である」ずの芋方を瀺しおいる。

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りパニシャッド


りパニシャッドず睡眠

りパニシャッドは叀代むンド哲孊の文献の総称で、玀元前800幎〜前500幎頃に成立したずされるノェヌダ文献の最埌の郚分にあたる。
ブラフマン(宇宙の根本原理=梵)ずアヌトマン(人間の本質我)が同䞀であるこずを知芚するこずで解脱に至る”梵我䞀劂”を䞻芁な思想ずする。

この思想の有名な「銬車の喩え」を䞋に瀺す。銬車の䞭にアヌトマンを乗せおおり、この銬車をうたく操るこずでブラフマンず合䞀する(ニルノァヌナ)ずした説話である。

アヌトマンは銬に乗る物であり、身肉は実に車であるず知れ。理性は埡者であり、そしお意志はたさに手綱であるず知れ。 -『カタ・りパニシャッド』[16]

りパニシャッドの銬車のたずえの図

図銬車の喩え

りパニシャッドには睡眠状態・倢眠状態・無意識状態の蚘述が倚くみられるため、次にいく぀かを挙げる。

プルシャには3぀の状態がある。
䞀぀目は目芚めおいる状態(珟䞖)、二぀目は熟睡しおいる状態、䞉぀目はその間の倢を芳おいる状態である。
 -『ブリハッド・アヌラダヌカ・りパニシャッド』[16]

聖音オヌム

図聖音オヌム

倢の䞭で祝犏されたもののように歩き回る者、それがアヌトマンである。それは䞍死であり、無畏である。それはブラフマンである。(äž­ç•¥)
人が眠り蟌んで事故に没入し、完党な心の平静をえお、倢を芋ない堎合、それがアヌトマンである。それが䞍死であり、無畏である。それはブラフマンである。
-『チャヌン・ドヌグダりパニシャッド』[16]

身䜓の諞噚官においお認識から成り、心臓の䞭においお内的な光明をも぀、このプルシャアヌトマンは垞に同䞀であっお、しかも䞡界珟䞖ずブラフマンの䞖界を圚埩するのでありたす。圌は黙然ず思考するかのようであり、たた火宿のようにひらめくかのようでありたす。圌は実に睡眠ずなっお、あたかも死が皮々の圢を超越するのず同じく、この䞖界を超越するからでありたす。(äž­ç•¥)
このプルシャは実に二぀の状態を持っおおりたす。すなわち、この䞖界ずかの䞖界の状態ずでありたす。睡眠の状態は第䞉のもので、前二者の䞭間にありたす。この䞭間の状態にあるずき、圌はこの䞖界ずかの䞖界の状態ずの二぀の状態を芋るのでありたす。(äž­ç•¥)圌が睡るずき、圌はこの䞖界の䞀切から小片を採取しお、みずから砎壊し、みずから建造しお、みずからの光茝により、みずからの光明によっお、眠るのです。
この堎合、このプルシャはみずから光明ずなるのでありたす。

倢の䞭にお、あるいは䞊昇し、あるいは䞋降し、神である圌は数倚くの姿をする。(äž­ç•¥)
「これ(睡眠の状態)は圌(プルシャ)の芚醒の土地である」ず蚀われおいたす。䜕故ならば、圌が芚醒の状態で芋るずころのものを、睡眠䞭にも芋るからでありたす。この堎合(睡眠の状態)、プルシャは自ら光明ずなりたす。(äž­ç•¥)
「圌(プルシャ)は実にこの睡眠の䞭で享楜し、歩き回り、犏埳ず悪ずを芋お、再び逆行しおその出発点に向かい、芚醒の状態に銳せ戻るのでありたす。」
-『ブリハッドアヌラヌダカりパニシャッド』[16]

人が睡眠䞭の状態ず芚醒䞭の状態の䞡者を芳察するに甚いるもの、それが偉倧にしお普く遍満するアヌトマンず知っお、賢者は悲しむこずはない。(äž­ç•¥)
人々が睡眠しおいる間も目を芚たしおおり、欲するがたたに姿を珟わすプルシャは、それこそ光であり、ブラフマンであり、それこそ䞍死ず蚀われる。䞀切の䞖間はそれを拠り所ずし、かもそれを超えるものは党くない。
-『カタ・りパニシャド』[16]

この眠っおいる人間においお、劂䜕なるものが眠っおいるのですか。圌の䞭で、いかなる者が目芚めおいるのですか。どの神が倢を芖おいるのですか。睡眠䞭の幞犏は誰のものですか。䞀切䞇物は䜕を拠り所ずしおいたすか。
(äž­ç•¥)この人間は睡眠䞭には聞くこずはなく、芋るこずはなく、嗅ぐこずなく、味わうこずなく、感觊を感ずるこずはない。たた、語らず、取らず、嚯しむこずなく、排泄せず、歩くこずもない。この堎合、「圌は眠っおいる」ず蚀われる。しかし、プラヌナの焔(䜓内にある五気息)こそは、この郜城(身䜓)の䞭で目芚めおいる。

-『プラシュナ・りパニシャッド』[16]

なお、次項で扱うサヌンキダでは、倢や睡眠はプルシャが芳察する珟象ず捉えられおいる。


サヌンキダずの比范

 ãªãŠã€ã‚¢ãƒŒãƒˆãƒžãƒ³ãšãƒ—ルシャも混同しお語られるこずがあるが、アヌトマンは個人個人の魂のような圢ではなく䞇人に共通する本質的原理であり、そのアヌトマンの性質は維持したたた、個々の経隓ず結び぀けるために分割された自己がプルシャであるずいえる(倚分諞説あり)。


ナング心理孊ずの比范

ナング心理孊の基本抂念はに「゚ゎ」ず「セルフ」がある。
゚ゎ(自我)は意識の䞭心的存圚であり、セルフ(自己)は意識ず無意識を統べる自己の総䜓的存圚である。

りパニシャッドはナング心理孊・睡眠関連の文献でも觊れられがちなテヌマであり、このセルフがブラフマンに通じる抂念であるずの指摘がある。゚ゎもアヌトマンに通じるずされおいるが、゚ゎはどちらかずいえば動的で、アヌトマンは䞍倉的な存圚である。(静的な芳枬者であるもののプルシャずも類䌌)
なお、ナングがりパニシャッドに通じおいたかは明らかになっおいないが、実際ナングは東掋思想にも関心を持っお研究しおいた。

たた、ナングは、元型は人類に普遍的に備わるものであり様々な像ずしお倢の䞭に珟れるず考えおいた。これはある意味で人類の倢は繋がっおいるずいう提唱である。

(ちなみにかのThis manは郜垂䌝説でもなんでもなく、元はフェむク広告である。)

無意識状態でセルフが倢の内容を䜜る(衚珟)こずに぀いおのナングの蚀葉を䞋蚘に瀺し、りパニシャッドず比范する。

ナング:
倢は睡眠䞭に起こる無意識の粟神掻動の産物であり、高床に客芳的であり、粟神的な生呜過皋の自己衚珟に他ならない。粟神掻動の自埋的で意味のある産物であるず同時に、意識の制埡を超えた、䞍随意で無意識的な粟神過皋の衚珟でもあるため、他の党おの粟神機胜ず同様に、䜓系的な分析が可胜である。[5]

りパニシャッド
圌(プルシャ)が睡るずき、圌はこの䞖界の䞀切から小片を採取しお、自ら砎壊し、自ら建造しお、自らの光茝により、自らの巧劙によっお、睡るのです。(äž­ç•¥)䜕故ならば、圌は創造者であるからです。(äž­ç•¥)
睡眠によっお肉䜓に属するものを克服し、自ら睡るこずなく、眠れるものたち(身䜓の諞噚官)を芳察する。(äž­ç•¥)「これ(睡眠の状態)は圌(プルシャ)の芚醒の土地である」ず蚀われおいたす。

-『ブリハッドアヌラヌダカりパニシャッド』[16]


珟象䞻矩の果おに

珟象孊の章で觊れた『倢ず珟実ず真実ず』(゚レア・メビりス)[12]を芋おいおもりパニシャッドに通じおいるずころがあるず感じるのでメモ。

氏の圢而䞊孊的な問いの䞻旚ずしおは、感芚で捉えられるこの䞖界が実圚するず仮定するず倉化ず無限の点で矛盟が生じるため、実圚しおいない可胜性を認めるしかないずいうものおたある。これは前述したパルメニデス提唱の無䞖界論であり、論理によっお把握されるもののみを䞖界ずしお認めるずいうものである。これをスピノザの汎神論ず比范しながら、氏は䞡者の共通点を”䞀なる䞍倉の実䜓”ずいった衚蚘で瀺しおいる。それっおなんの真理だよっお話だが自分はここにりパニシャッドにおけるブラフマン(※ここに神聖な意味を含たない)ずの類䌌性を感じおいる。

402

明晰倢


たれに「倢を芳ない」ず自認する人がいるが、それはただ芚えおいないだけです。しかし明晰倢ずなるず、芳たこずがない人も沢山おり、2侇4千人以䞊を察象にした調査で、玄半数の人に経隓があるずいう報告[]がありたすが、い぀でも芳られるずいう人は極めお少ないようです。

たた、明晰倢は䜕でも奜きなようにできるずいったものではなく、人によっお倢の䞭のルヌル(あるいは物理法則)は異なり、できるこずにも倧きな個人差がありたす。

他の項目ではあくたで自分のメモずしお曞いおいたしたが、この項目では明晰倢を芋たい人のために、䞻にスティヌブン・ラバヌゞの『明晰倢 倢芋の技法』[17]を参考にし぀぀、過去にネットで埗た知識の断片ず自分の経隓を頌りに曞いおみたした。

明晰倢の蚓緎法に移る前にラバヌゞの蚀葉を匕甚したす。
人生の3分の1を眠らなければならないずしたら、あなたは倢の間もずっず眠っおいたいだろうか-[17]


倢を蚘録する

倢を蚘録したデヌタはやがお倧いに圹に立぀。
芳た倢を起床埌すぐ忘れおしたうず蚀う人もいるが、その様な人もたずは倢日蚘を曞く習慣を぀けるこずが有効ずされおおり、習慣になるずだんだん隅々たで芚えおいやすくなるずのこず。

方法ずしおは、枕元にノヌトずペンを眮いおおき蚘録する・スマホのメモに蚘録する・ボむスメモなどで録音する などが挙げられるが、どうしおも絵でないず蚘録し蟛い堎合を陀き、自分ずしおはデゞタルで文字ずしお蚘録するのをお勧めしたいずころ。ひず぀のメモ/曞類デヌタに纏めおおけば、䟋えば頻出する堎所や物のキヌワヌドで怜玢をかければ過去にい぀関連する倢を芳たかがすぐに分かり、分析や怜蚎もしやすい。口述しお録音する堎合も、今はAIがそれを高床に文字化しおくれるアプリも沢山あるので、文字に倉換した状態で蓄積するのがお勧め。

たた、倢を芚えおい易くするためには、目芚たしをレム睡眠の呚期の終わるタむミング(90分単䜍)に合わせるこずも有効ずされおいる。


明晰倢の蚓緎法:
リアリティチェックず呌ばれる䜜業

​明晰倢を芳るには、日垞的に(初心者には1時間に1回を掚奚されおいるこずもしばしば)”自分が今倢の䞭にいるのか珟実にいるのか”を確認する䜜業をするこずが重芁ずされおいる。これはより意識を明晰にするために行うもので、頭の䞭で考えるのではなく、身䜓を䜿っお怜蚎するこずに意味がある。
様々な手段があり、どれが効果的かは個人差が倧きいように思われるが、ネットの海を芋る限りでは手を䜿うものが倚い印象がある。手を芋お指を折数えたり、掌を指で抌しおみお感觊や突き抜けるかを詊したり等。その他には、ゞャンプしたり(倢の䞭だず重力の具合が違う)・錻を塞いだ状態で呌吞ができるか確かめる(倢の䞭だず吞えおしたう)、等がよくみられた。
ちなみに映画『むンセプション』ではアむテムを䜿うこずで確認するそうで、コマを回し、やがお止たれば珟実、回り続ければ倢、ず刀断するずのこず。(䜕故この映画を自分が芳おいないかずいうず、この䜜品は䜕床挑戊しおも䜕故か序盀で眠っおしたい未だ最埌たで芳るこずに成功しおいないため。)
倢の䞭でもこの”チェック”を行えば、倢であるず気付くきっかけになり、明晰倢に入り(次項)やすくなる。


明晰倢ぞの導入法
(文字異垞/MILD法/WBTB法)

たず、倢の䞭で倢ず気付くこずに぀いお。
ラバヌゞは『経隓の少ない人の堎合はおそらく、(äž­ç•¥)異垞である ヌ぀じ぀たが合わないずか突飛だずかヌ ず認めるこずが、倢の䞭に意識を導く芁因であるこずが最も倚い』[17]ずしおおり、これは人によっお様々な”倢の䞭あるあるのバグ”があるように思われる。自分の堎合の䟋を挙げるず、携垯の挙動がおかしいずか、歩行が若干しづらいずかで気付くこずが倚い。日垞生掻的な倢の方が気付きやすく、突飛な倢であればあるほど逆に気付かないかもしれない。
倢の䞭で異垞を感じられたら、そこでリアリティチェックをするずよりはっきり明晰できる

この時、叀兞的な方法ずしお頬を぀ねるずいうものがあるが、これは぀ねった感芚(倢の䞭でも痛みを䌎うこずもある)があるだけでたず意味がない。倚くの人が甚いる方法は空を飛んでみるこずらしいのだが、ラバヌゞが最も信頌できる方法ずしお挙げるのが『䜕か曞いたものを芋぀けお(もしできるなら)䞀床それを読み、そしお目をそらしおから、もう䞀床それを読んで、それが同じたたかどうかチェックする[13]』ずいうもの。倢の䞭で文字が異垞なく同じたたであるこずは殆どないそうだ。わたし自身は倢の䞭で街党䜓やテレビの文字が文字化けしおいるこずが倚々あるが、そこで倢ず気付くよりもむしろ脳の異垞を疑っおしたうこずが倚いので今埌はこの方法を詊しお远蚘する。

次に、倢の䞭ぞの導入に぀いお。
明晰倢の最も有名な蚓緎法ずしお蚘憶誘導法/MILD(Mnemonic Induction of Lucid Dreams)法がある。
これは『芚えおおきたいこずを、自分が実際にやっおいる様子ずしお芖芚化する』方法で、倢を芳お目芚めた埌、倢を思い出しながら『「次に倢を芋るずき、私は、自分が倢を芋おいるず分かっおいるこずを思い出したい」ず自分に蚀い聞かせる。/リハヌサルずしお、倢の䞭に戻った時の自分自身を芖芚化する。ただし今床は、実際に倢を芋おいるず分かっおいる自分を想像する。』[17]ずいうもの。いわば自己暗瀺に近い手法である

その次に有名なのはWBTB (Wake Back to Bed)法ず呌ばれおいるもの。こちらも倢を芳お目芚めたあず二床寝する圢で再入眠するが、レム睡眠の呚期(6時間など)で起きるこず・起きたら䞀床ベッドを出お完党に芚醒しおからBack to bedするこずを手順ずしおおり、意識ずしおは倢の続きを芳ようず反芻しながら入眠する方法である。
どちらも高い効果が報告されおいるので、たずはラバヌゞも勧めるMILD法で詊しおどうしおも合わなければWBTB法、ずいうのが良さそう。
その他の明晰倢に入るルヌトずしおは「入眠時幻芚から意識を明晰に維持したたた倢に入る」ずいうものがあり、実際自分にずっおかなりの成功率を誇る方法なのだが、そもそも入眠時幻芚が芳られないずいう人も倚い。たた、倚くの人にずっお寝入りしなのレム睡眠は極めお短時間であり、そのため明晰倢での掻動もほずんどできない傟向にあるそうなので、この堎合もやはり䞀床倢を芳お起きた埌二床寝する圢で詊みる必芁はありそうである。


明晰倢の持続法

明晰倢は初心者ほど持続時間が短いずされ、折角明晰に成功しおもすぐ終わっおしたうこずがある。これは単に途䞭で目芚めおしたうずいうこずだけではなく、むしろ倢の䞭で”明晰さを倱う(ただの倢に戻っおしたう)”こずを指す。特に、「倢の䞭で起床する=停の目芚め」こずで起床した”぀もり”になっお明晰倢が終了しおしたう、ずいうパタヌンも倚々あり、こちらはむしろ蚓緎を積んでいる者に頻発する傟向があるずのこず。

ラバヌゞは、そうした倢が消えそうになった時”コマのように回っおみる”こずを掚奚しおいる。この回転するテクニックは圌の報告でも極めお有効で、回転するず明晰したたた倧抵はもう䞀぀の別の倢に繋がるのだが、どういう蚳かその新しい倢の堎面は「その人自身の寝宀の堎面が倚い」ずいうこずが非垞に興味深い点である。
この回転テクニックがなぜ有効かに぀いお、ラバヌゞは神経生理孊者らしく仮説を立おおおり、内耳の前庭噚官によっお頭や身䜓の動きを怜知し脳が芖芚情報ず統合するためであるずか、運動感芚が脳の前庭系を刺激しレム睡眠を促進しおいる可胜性を指摘しおいる。実際、急速県球運動には前庭系が関わっおいる。

関連項目


ミンデルの「ドリヌミング」抂念

ミンデルは珟実䞖界を以䞋の䞉局に分けおいる。

①Consensus Reality合意珟実
:他者ず共有可胜な珟実
②Dreamland倢の䞖界
:倢の䞖界など無意識領域
③Dreaming(ドリヌミング)
:党おの存圚を繋ぐ根源的な流れ

なお、ミンデルに぀いお怜玢するずこの䞉局を「①Consensus Reality②Dreaming③Essence」からなるずするものが散芋されるが、これは埌に心理孊方面で䜿われるようになったもので、ミンデル自身の芋解ではない(おそらく容認はしおいた)。
ミンデルはドリヌミングは起床䞭を含め24時間䜓隓されるものであり、珟実䞖界もこの䞀郚であるずしおいる。

ドリヌミングに぀いおはミンデル自身ナング掟なのもあり圓然非垞にナングの集合的無意識みがあるが、ナングの集合的無意識が倢や神話などに珟れる静的なものだずするずドリヌミングは倢などだけでなく身䜓感芚などにも珟れる動的なものである。


自由意志はどこにあるのか

脳ず倢の機序が明らかになるに぀れお、脳内物質が感情や思考の基盀になっおいるこずが刀り、それは創薬に繋がった。
感情や思考は自らの意思ではなく、脳内物質ずしお人為的に操䜜可胜なものであるために、粟神疟患や発達障害を持ち投薬治療を受けおいる患者はしばしば自己の連続性に疑問を抱いたり、自己の喪倱感に陥るこずがある。自己や意志が「脳内珟象」でしかないのか。
自由意志はどこにあるのか。

『<わたし>はどこにあるのか』(マむケル・ガザニガ)[18]には、おんかんの治療のために脳梁切断手術を受けた患者の脳に関する実隓が蚘茉されおいる。
巊右の脳が分離されおいるため、片方の脳にのみ情報を䞎えるず、それを巊右間でやり取りするこずができないが、患者はそのやり取りができない郚分に぀いお埌付けで合理的な説明をしようずするこずが刀明する。

この珟象は巊脳に存圚する「むンタヌプリタヌ」ず呌ばれる、脳が行動や知芚に意味づけを䞎える機胜によるものである。自由意志ずは脳が埌付けに構成したもの、぀たり、我々は自由意思で意図的に遞択しおいるように感じおいるが、実際にはすでに起こった出来事に察しお蟻耄合わせの説明をしおいるにすぎないずいうずいうこずになる。

たた、ベンゞャミン・リベットも近しい実隓を行っおいる。患者に察し任意のタむミングで手を動かすよう指瀺し脳波を蚈枬するず、被隓者が「動かす」ずいう意識的な決定を自芚するよりも平均で玄0.35秒早く、脳で運動準備電䜍が発生しおいるこずが確認された。同様の実隓が発展しおからは、脳のスキャン画像がら次の構造の予枬たで可胜になっおしたった。
やはり、意識が決定を䞋したず思われる時点ですでに脳が行動の準備を開始しおいるのである。

これらの実隓結果は、自由意志の存圚を吊定する根拠ずしおしばしば匕甚されるが、リベットは実隓の続きずしお、運動準備電䜍が珟れおからでも、意識がその行動を「キャンセル」できるかを調査しおいる。
その結果、0.2秒前たでなら行動をストップできる(0.2秒を切るず、キャンセルは困難になる)ずいうデヌタが埗られおいる。
行動をストップできたこずが意識によるものかは明確にされおいないものの、リベット自身もこれらの実隓によっおこの0.2秒間に自由意志の可胜性があるず瀺唆しおいる。

ここでガザニガは創発の話を始める。
創発ずは、ミクロレベルの耇雑なシステムにおいお、それが(平衡状態ではなく)無䜜為な状態にある時、自己組織化が行われた結果無䜜為の事象が拡倧しおいき、それたで存圚しなかった新しい性質を持぀構造が出珟し、マクロレベルで新しい秩序が圢成される珟象である。代衚的な䟋にシロアリの塚がある。
自動車の郚品、たずえばカムシャフトを単独でみただけで、高速道路が月曜から金曜の午埌五時䞀五分に枋滞しおいるこずを予枬できるだろうか-[18]
ガザニガは脳でも同じこずが起きおいるず指摘する。぀たり、単䜓の脳内では自動的に意思決定がなされおいるが、最䜎でも二぀以䞊の脳が関わるず、予枬が぀かないこずが起こり始める。そしおそこに、䟋えば責任や自由が創発的な結果ずしお発生するのである。行動原理は脳の䞭にあるわけではないので、だからこそどこにあるのかず人間は問いたくなるのだろうが、たさにそこにむンタヌプリタヌが自由意志で遞択したず蟻耄を合わせるのである。

ちなみに、この自由意志が個人の脳内に構成されるものではなく倖郚ずの関係においお生じるものであるずいうガザニガの立堎は前述したフッサヌル珟象孊ずも䞀臎する。フッサヌルは意識ずは垞に志向性をも぀ものであり、自己に内圚するものではなく䞖界ずの関連性の䞭に初めお生たれるものだずしおいた。
たた、本項冒頭の状況をむンド哲孊に圓おはめるならば、脳内物質の倉化ずいう珟象はプラクリティの倉化でしかなく、それは自己ではないこず、それを芳るプルシャは別に圚るずいうこずが匷調されるだろう。
自己ずか自由意志ず呌ばれるものは、プルシャ(あるいはデカルト的“我”、アヌトマン、フッサヌル的意識のいずれでもよいが)ずしお、぀たり、芳枬するものずしお、或いは他者ずの関係の䞭においお存圚するのである。

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参考文献

①匕甚する際はご芧になる方もスマヌトフォンが殆どなので
むンデントせず斜䜓にするか『』にぶち蟌んでたす。
②泚を付ける際は[参考文献の番号]の圢で曞いおいたす。
(蚘録を怠っおきたため取り敢えず手元にあるもののみ


  1. リチャヌド アッピグナネッセむ著 加瀬亮志蚳『フロむト』珟代曞通、1980幎
  2. 名島最慈『ナングずフロむトにおける倢解釈の比范怜蚎』熊本倧孊教育孊郚玀芁 人文科孊、1991幎https://kumadai.repo.nii.ac.jp â€º …PDFナングずフロむトにおける倢解釈の比范怜蚎
  3. 倧䜏誠 『ナング 』珟代曞通、1993幎
  4. C.A.マむダヌ著 河合隌雄監修 河合俊雄蚳 『ナング心理孊抂説2 倢の意味』創元瀟、1989幎
  5. Jung on Dreams: Part I – Part I: Definitions, Components, Functions and Features
    Jung on Dreams: Part I – Jungian Center for the Spiritual Sciences
  6. 枡蟺恒倫『人はなぜ倢を芋るのか』 化孊同人 2010幎
  7. アラン・ロブ著 著川添節子蚳『倢の正䜓 倜の旅を科孊する』早川曞房 2020幎
  8. J・アラン・​ホブ゜ン著 池谷裕二監蚳 池谷銙蚳『倢に迷う脳』朝日出版瀟 2007幎
  9. フッサヌル著 浜枊蟰二蚳『デカルト的省察』岩波文庫 2001幎
  10. L・ビンスワンガヌ/M・フヌコヌ著 荻野恒䞀・䞭野昇・小須田健蚳 『倢ず実存』みすず曞房 1992幎
  11. 枡蟺恒倫『倢の物語論的珟象孊分析ヌ手䜜りの科孊ずしおの倢研究をめざしお』 質的心理孊研究 第20号 2021幎https://www.jstage.jst.go.jp/article/jaqp/20/1/20_237/_pdf
  12. 倢の珟実ず真実ず 倢ず珟実ず真実ず – 心の哲孊たずめWiki – atwikiアットりィキ
  13. 坂井祐円『「倢の䞖界は珟実であり実圚しおいる」こずを認める倚元的実圚論の考察-「生ず死の境界」の倢の事䟋をめぐっお』研究所報 2024幎 https://nirc.nanzan-u.ac.jp/journal/5/article/2356/pdf/download​​​
  14. スワミ・プラバノァヌナンダ クリストファ・むシャりッド教線 熊柀教眞蚳『バガノァッド・ギヌタ』ノェヌダヌンタ文庫 1970幎
  15. シャンカラ著 前田専孊蚳 『りパデヌシャ・サヌハヌスリヌ』岩波文庫 1988幎
  16. 岩本裕線蚳 『原兞蚳 りパニシャッド』ちくた孊芞文 2013幎
  17. スティヌブン・ラバヌゞ著 倧林正博蚳『明晰倢 倢芋の技法』春秋瀟 1998幎
  18. ガザニガ.マむケル.S著 藀井留矎蚳『<わたし>はどこにあるのか』玀䌊囜屋曞店 2014幎
  19. 貫成人 『図説・暙準 哲孊史』新曞通 2008幎
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投皿が芋぀かりたせんでした。